北朝鮮・韓国 朝鮮の歴史

「韓国併合への道完全版」を読んで(7)(日本統治による朝鮮変化の実状)

投稿日:2017年11月23日 更新日:

日本の統治は悪だったのか? 反日政策と従軍慰安婦

本書は、前版のものに更に「第11章 日本統治は悪だったのか?」と、「第12章 反日政策と従軍慰安婦」が書き加えられたので、「完全版」というタイトルが付いたことは前に説明しました。ここからは併合までの道のりをたどる、という記事の主旨を超えるものになるので、簡単に書いておきます。

・日本の統治と西洋列強の植民地統治との違い

 

①収奪によって内地(本国)を潤すという政策が執られなかった

②武力的な威圧をもっての統治政策を全般的に執らなかった

③文化・社会・教育の近代化を強力に推し進めた

④本土人への同化(一体化)を目指した

・韓国教科書に載る「土地収奪」の嘘

朝鮮総督府が行った土地調査事業の目的は次の4点。

①近代的土地制度の確立

②土地の所有をめぐる伝統的な紛争の一掃

③土地の生産力にふさわしい租税制度の確立

④税負担の公正化

これによって確定された朝鮮全土の土地の内訳

朝鮮人所有地    391万町歩

国有地       27万町歩

日本人所有地    24万町歩

合計        442万町歩

内、総督府接収地  14万7千町歩(所有権者不明の土地)→全体の約3%}

ところが、韓国の中学校の国定教科書には、次のように書いてあるとのこと。

「従来の王室や公共機関に属していた多くの土地も、朝鮮総督府の所有になり、そのほか、門中や村の共用地も大部分没収された。そして、全国農地の約40%にあたる膨大な土地が朝鮮総督府に占有され、朝鮮総督府はこの土地を東洋拓殖株式会社など、日本人の土地会社に払い下げるか、我が国に移住してくる日本人たちに安い値段で売り渡した」

わずか3%の接収地が、ほとんど半分にあたる40%に誇張されています。この点について、1990年に日本の土地調査事業の研究に取りかかった、ソウル大学経済学部教授 李榮薫氏は、次のように言ったそうです。

「資料を見て、教科書とはあまりに違う内容にびっくりし驚いた。総督府は土地をでたらめに奪ったということもしていないどころか、綿密な行政指導・土地詐欺を防止するための啓導・啓蒙を繰り返した。農民たちも、自分の土地が測量されて地籍に上がるのを見て、喜んで積極的に協調した。私たちが持っていた植民地朝鮮のイメージが架空の創作物なのを悟った

「日本の統治の目的は、朝鮮の永久併合だったことが分かる。収奪・掠奪ではなく、日本本土と等しい制度と社会基盤を取りそろえた国に作って、永久編入しようとする計画だった。

(本書より 多少省略・平易な表現に修正)

 

・巨額投資による産業経済の発展

朝鮮統治では最後まで投資過剰の赤字経営が続けられ、日本から投入された資本は総額で80億ドルにものぼりました。これによって朝鮮では工業・商業が飛躍的に発展し、土地改良・電信網の発達・インフラ設備の整備が行われ、禿山には約10億本もの植林、米の生産高は大幅に増産しました。1920~1930年代にはGDPが年間4%(他国では高くても2%程度であった)も増大し、併合終了直前の1944年には人口が二倍近く増加していました。

・武力的な威圧はあったか?

1919年3月1日、日本統治に対する抵抗として「三・一独立運動」が起こりました。日本はこの暴動を武力でもって鎮圧しましたが、これを契機として武断政治を反省し、統治方法を見直して文化統治へと方向を転換しました。また、このような暴動に対しての武力鎮圧はありましたが、いわゆる「一般の生活者の生活圏の侵犯」、つまり統治者による現地人への略奪・暴行・文化破壊などを行ったかどうかについては、日本統治下の朝鮮で基本的に起こったことはなく、それは先の独立運動以降、庶民による暴動が一切起きていないということからも窺い知れると言えます。

 

・学校数の激増と識字率の急伸

普通学校(小学校に相当) 併合時 100校程度 → 1943年 5960校程度に増加

識字率          併合時 6%程度  → 1943年 22%に急伸

※学校では日本語、ハングル、漢字の教育が進められた。

朝鮮語教育が停止されたのは終戦(1945年)までの数年間だけで、これは戦時に応じて取られた挙国一致体制の為でした。それまで打ち捨てられていたハングルの普及は日本の学校制度によるもので、朝鮮母語を奪ったなどとは見当違いも甚だしいと言えます。

・差別と格差をなくそうとした同化政策

日本の統治は、朝鮮民族の抹殺を目論んだものではなく、日本人と朝鮮人の間の「差別・区別・格差」をなくして同化していこうとする政策でした。その例を、何点か取り上げてみたいと思います。

<選挙権>

朝鮮人も日本人と同じく選挙権も被選挙権も持っており、国会議員になった朝鮮人も存在した。ただ、朝鮮半島には選挙区はなく、選挙権や被選挙権を行使するには、日本人も朝鮮人も本土に居住する必要があった。不十分な選挙法であり1945年に改正され、朝鮮半島居住者も選挙権被選挙権共に行使できるようになったが、敗戦によって実現はできなかった。

<義務教育制度>

当初は、朝鮮には義務教育制度が敷かれておらず、予算の都合もあり希望者を全員入学させることは出来なかった。しかし日本統治時代の末期には、朝鮮人の小学校への就学率は男子76%、女子33%まで伸びている。1946年以降は日本本土と完全に同等な義務教育制度を導入する予定であった。

<創氏改名>

創氏改名制度とは、朝鮮式の「本貫と姓」とは別に、新たに一つの家族名として「氏」を創設する「創氏」制度と、従来の氏名を任意に日本式のものへ変更できる「改名」制度を合わせたもので、創氏は全朝鮮人に適用されたが、改名は全く任意の制度であった。

制度の概要を見ると、

①創氏は6か月間を期限とする届け出制であり、届け出なかった者は従来の朝鮮式の姓がそのまま氏として認定される

②創氏をしても従来の姓がなくなることはなく、氏の設定後も元来の姓及び本貫はそのまま戸籍に残される

日本式の氏名への改名は法的な強制ではなく、期限無くいつでも変更可能な制度であった。

というものであり、創氏をしても朝鮮姓名は残るし、日本式の氏名への改名は全くの任意制度だった訳で、先祖代々からの朝鮮人の姓名を奪う強制性などどこにも見られない。

・戦時体制下の内鮮一体化政策

時間をかけて一体化を目指すと言う日本の方針は、日中戦争勃発等により急速に推進せざるを得なくなった。戦争時に国全体がまとまっていないと、敗北への道をまっしぐらに突き進むことになるからだ。この時用いられた政策は、次のようなものがある。

①神社参拝の奨励

②「皇国臣民の誓詞」が朝鮮で発布され、学校で毎朝斉唱が行われた

③内鮮共学が強調され、日本と同じ教科書が使用されるようになり、朝鮮語が正課からなくなった

④1938年に陸軍志願兵制が実施、1943年に海軍志願兵制と学徒兵徴募が実施され、1944年に徴兵制が実施された

⑤1939年から国家総動員法にかかわる労働力提供者の募集が始まり、1942年から官斡旋が行われ、1944年から日本人同様の徴用となった。

本書にも書いてあるが、これらの政策は全て「戦時体制下」だったために急激に推進されたもので、戦時と言う異常事態の中で取られた政策のみをもって、日本の統治全体を評価するのは逆に不自然な観点だと言える。

また、徴兵も徴用も実際に朝鮮地方に適用されたのは1944年で、終戦のほんの1年ほど前からである。それまでは兵役は志願制、労働力提供も希望者を募ったものであり、1942年からの官斡旋にしても嫌であれば拒否することも辞めることもできたという。対して元々の日本人には、もちろん徴兵制度がずっとあったし、国家総動員法によって徴用されたのはまず日本人からであった。

・これらの日本による政策から分かること

これらの日本による政策から、「日本は朝鮮を植民地にして虐げ続けた」と言う見解はどう転んでも出すことは出来ません。日本は朝鮮を日本の一部として、本土と同じように産業経済発展を促し、庶民には教育を普及させ、インフラを整え生活の質の向上を行い、戦時にあっては出来るだけ本土人による負担で済まそうとし、それが不可能だったのでやむなく朝鮮地方にも負担の一端を背負わせた、という形に見えます

確かに、韓国の側は日本に併合してくれとは頼んでいません。李容九が率いた一進会も、望んでいたのは「対等の国同士の合邦」でした。上記の様な政策は、結局日本側が自国の利益のために行っただけの事、と言われればその通りだと思います。

・反日政策への利用

しかし、しかしです。

今日での日本の統治時代の言われようは、あまりに酷過ぎます。朝鮮総督府の土地収奪の話にしても、実際は所有者不明の土地(全体の約3%)を接収しただけなのに、朝鮮人所有者から土地を強奪したように書き換え、しかもそれが全体の約40%にも及んだと話を盛っているのだから、文字通りお話になりません。当の朝鮮人の大学教授に、『「悪逆非道な日帝」の姿は創作物だ』と言わしめるのだから相当なものですよ。同じように、「従軍慰安婦」の話も、「強制連行」の話も盛りまくっています。なぜそのようなことをするのでしょうか。

この点について、その答えとなるような韓国の反日主義の目的を、著者である呉善花氏が語っています。

日本古典の「神功皇后による三韓征伐」の記載に始まり、豊臣秀吉の「朝鮮侵略」という事実、江戸時代から明治時代にかけての「征韓論」、そして「韓国併合」という植民地支配にまで至る歴史が、日本民族が一貫して韓国に対する侵略的で野蛮な性格を持ち続けてきたことを物語っているー。これが、韓国での一般的な歴史認識だといってよい。

<中略>

韓国の反日民族主義の目的は、「植民地化をもたらした日本民族の資質」を「日本人に自覚させ直させる」ことにある。「植民地化という悪」をもたらしたのは、そもそもの日本民族の野蛮な資質であり、歴史的に根深い朝鮮劣等視・蔑視の民族意識であるーこれが韓国の正統的な反日民族主義の考えである。

<中略>

戦後韓国の李承晩政権にとっては、「日本の植民地支配」に甘んじてきた「屈辱の歴史」を精神的に清算し、民族の誇りを回復する政策が是非とも必要だった。李承晩にとってそれは、日本民族に対する朝鮮民族の優位性を回復することに等しかった。これが反日民族主義の出発点となった。

このような朝鮮民族の認識・考え方が背景にあるため、日本による朝鮮の統治は「悪逆非道」でなければならないんです。そうでなければ、韓国の経済発展は1965年の日韓基本条約によって、日本が朝鮮半島に残した莫大な資産と、その後の日本の経済援助によるものが大きいことに対して、「民族としての優位を保ちながら、もらうものだけはしっかりもらう」という厚顔無恥な振る舞いに正当性を持たせられないからです。「日本の援助によって韓国は発展した」ということを認めてしまうと、「民族としての優位性」が崩れてしまいますからね。だから、「日本は悪いことをしたのだから、これぐらいもらって当然」という態度でいられる訳です。そして、日本からの援助を受けていることを自国民には秘密にし、自らの努力のみで発展を成し遂げたかのように見せかけ、「屈辱の歴史の清算」と「民族の誇りの回復」を狙ったのでしょう。だから、韓国併合後の日本による統治は、「悪ければ悪いほどいい」ので、話の内容を極端に盛っても平気な顔をしている訳です。

そしてもう一つ、『韓国の反日民族主義の目的は、「植民地化をもたらした日本民族の資質」を「日本人に自覚させ直させる」ことにある。』と言う一文。ここから、なぜどれだけ補償・賠償しても繰り返し同じ話を蒸し返すのかが分かります。つまり反日主義の韓国人は、「日本人の資質を自覚させ直させる」という一段上の見地から、こういうことを行っていると考えることが出来ます(もちろんその見地の根本自体が間違ってはいますが)

つまり、反日の韓国の側は「謝罪と賠償」が欲しいのではなくて、本当に日本人が「心から野蛮な資質を反省し、二度と侵略などを行わない」となるまで言い続けるということで、これはある意味一番たちが悪いです。なぜなら、自分たちが正義を行っているつもりの行動は、自らの行動を客観視することが出来ず一方的に正当化出来るため、歯止めも利かないし際限もなくなります。

実際、日本がどれだけ韓国に対して経済援助をして、慰安婦問題などについて謝罪と賠償をしても、向こうが「誠意が見えない。日本は心から謝罪をしろ」と言うのでそれで不合意となり、「慰安婦問題等は解決していない」という事になっています。

・現実を見よ、韓国…

はっきり言って、現在の日本で「韓国を含む朝鮮半島を侵略しよう」と考えている人間等、誰一人として居ません。なぜならいらないからです。これまでの歴史のように、他国を侵略して領土を広げ利益を得たり、植民地として他国を隷属させ自国の利益の犠牲にするといったことは、最早時代遅れだからです。つまり、韓国の反日主義が目指す目的、「日本に野蛮な資質を自覚させ直させる」というものは、韓国の手によらずとも時代の流れから既に成し遂げられており、そもそもその「野蛮な資質」と言う考え方自体も、中国を中心とする小中華主義(中国から遠い国ほど野蛮で粗野な蛮族であるとする考え方)から発生したものであり、ここら辺に長い間中国の属国であった朝鮮民族特有の考え方が見て取れます。

私自身の考えを付け加えるならば、朝鮮民族は日本に何度も侵略されたと言っていますが、中国やその辺りの国々との間では数え切れないほどの争いがあったことは、なぜ何も言わないのでしょうか。それこそ日本どころではありません。中国などいつも朝鮮を下に見てきて、何かあれば朝鮮国内を傍若無人に蹂躙してきたではないですか。それなのに未だに中国様には何も言えず、大して影響もない日本にだけ調子に乗るのは、それこそ「時代遅れの中華主義」から脱しきれておらず、呉善花氏の言う「李朝の亡霊」に憑りつかれ続けている証拠ではないでしょうか。

私は、これは心理学でいう「投影」の一種ではないかと思います。つまり、本当に「資質を改めさせ直させたい」のは日本人ではなく、何百年間も朝鮮を属国として蔑視してきた中国に言いたいのではないかと。しかし、何百年もの慣習はすぐに変わるものではなく、中国には何も言えない。その抑圧した思いが、「日本」という相手に投影されて、「反日政策」という形で出てきたのではないかと思います。そう考えないと辻褄が合いません。どう考えても、日本はそこまで恨みぬかれるほど酷い統治は行っていません。

たまたま日本が敗戦したために朝鮮人の頭から「日本=強い」という考えが無くなり、属国扱いされてきたフラストレーションをぶつけやすくなっただけで、本質的には日本はそこまで悪くはないと思います。

逆に、朝鮮民族のそのしつこい「恨の資質」というものを、改め直すべきではないでしょうか。

やはり、韓国の近現代の歴史教科書に、この「韓国併合への道完全版」を採用すべきだと個人的には思います。

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