北朝鮮・韓国 朝鮮の歴史

「韓国併合への道完全版」を読んで⑹(韓国併合についての著者の考察)

投稿日:2017年11月22日 更新日:

1910年8月、「大韓帝国」は「大日本帝国」に併合され滅亡しました。

(大日本帝国の大礼服と勲章を纏う元皇帝 高宗 Wikipediaより)

この併合に対する見方と言うのは、日本と韓国では当然ながら、学者など有識者でも個々人の考え方によって、大きく違うようです。

この本の著者はどう捉えているか

それでは、この本の著者である呉善花氏はこの併合についてどのように考えているのでしょうか。本書よりその考えがうかがい知れる部分を抜粋したいと思います。

<以下抜粋>~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

私(呉善花)に言わせれば、李朝ー韓国の積極的な改革を推進しようとしなかった政治指導者たちは、一貫して日本の統治下に入らざるを得ない道を自ら大きく開いていったのである。彼らは国内の自主独立への動きを自ら摘み取り、独自に独立国家への道を切り開こうとする理念もなければ指導力もなかった。

すでに述べたように、韓国独立への道が開かれる可能性は、金玉均らによる甲申政変(1884年)の時点と、彼らを引き継いだ開化派の残党が甲午改革(1894年)を自主的・積極的に推進していこうとした時点にあった、というのが私の考えである。李朝はいずれの場合も自らの手をもって、それらの国内改革の動きを潰したのである。前者は清国を恃みとし、後者はロシアを恃みとして行われたものである。

以後の李朝ー韓国に独立への可能性はまったくなかった。そこで登場したのが、李容九率いる一進会だった。彼らは国家への絶望から出発し、民族の尊厳の確保を目指して日韓合邦運動に挺身した。その結果は日本による韓国の併合だった。

しかしながら、少なくとも民族の尊厳の確保に賭けて大アジア主義を掲げ、国内で最大限の努力を傾けた李容九らを売国奴と決めつけ、国内では表立った活動をすることなく外国で抗日運動を展開した安昌浩や李承晩らを愛国者・抗日の闘士と高く評価するといったバランスシートは、私には全く不当なものと思える。

<中略>

それは李朝の統一が、「横のつながりを失った無数の極小集団がそれぞれ自己の利益を目指し、中心へ向かって猛然と突き進む力学の統一性」によって維持されていた伝統と、決して無縁ではなかった。またヘンダーソンが言ったように、「すべての非正統的活動を執拗に排除しようとする嫉妬深い中央集権主義」の伝統とも無縁ではなかった。

李朝ー韓国は最初から最後まで、この二つの伝統を乗り越えることが出来なかった。上からの改革の芽を自ら摘み取り、なおかつ下からの改革の条件である挙国一致体制を生み出すことができなかった。

韓国併合ではなく韓国独立への道を自らの手で開くことが出来なかったのは、何よりもそのためである。

<中略>

抗日闘争をした、独立運動をしたということで愛国者とされてきた人々については、そうした意味からの責任が強く問われなくてはならないだろう。なぜなら、それもまた日本に併合される事態を招いた李朝ー韓国側の大きな要因だからである。

<抜粋終了>~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

上記抜粋の部分から読み取れる韓国併合への著者の考えは、こう言えると思います。

韓国が日本に併合されるような事態にまでなったのは、韓国側が国全体をまとめられず、伝統や派閥争い等枝葉の部分でお互いにつぶし合いをして、自らの手で独立への道を閉ざしてしまったことが原因である。

そこへもって、様々な国の利害関係がぶつかる東アジアの要所にあったため、自ら独立して国を守ることに思いを寄せず、事大主義的にどの強い国に付くかばかりを考え右往左往し、結果日本への併合という形で終了したと言えるのではないでしょうか。

そして、著者はこう続けます。

 現在の韓国では、日本に対する硬直した姿勢は徐々に変化しつつあるとはいえ、先に述べたように、いまだ併合をもたらした自らの側の要因への徹底的な解明への動きがはじまってはいない。

それは、韓国がいまもなお、「李朝の亡霊の呪縛」から完全に脱することができていないことを語っている。

韓国が自らの側の問題解明に着手し、さらに反日思想を乗り越え、小中華主義残存を切り捨てた上で、日本統治時代についての徹底的な分析に着手したとき、韓国にようやく「李朝の亡霊の呪縛」から脱出したといえる状況が生まれるだろう。

私がいうのもおこがましいが、日本はそうした方向へと韓国が歩むことに期待すべきであり、その方向にしか正しい意味での日韓の和解はないことを知るべきだろう。

この文から読み取れることは、「日本と韓国が真に対等な国家として友好を結べるようになるのは、韓国側が過去の呪縛から脱して歴史を徹底的に分析し、精神的な成長を遂げることでしか有り得ない」という事で、つまり、「日本と韓国の間で平和が成立するには、韓国側が自発的かつ、客観的かつ、徹底的な自国の歴史分析を行うことが、その唯一の方法である」、ということです。

呉善花氏は、併合を行った日本がどうとか、諸外国の帝国主義の犠牲者であったとか、そのような枝葉の部分には、韓国が併合された原因は無いと言っています。韓国が併合されたのは、ひとえに李朝ー韓国と言う国自体、つまり政治家等権力者だけではなく、知識人、更には下々の民衆たちも含めて、挙国一致して自国の繁栄を願い独立への道をまい進することが出来なかったことに、原因があると言っています。

よその国の教科書の内容に文句を付ける前に…

私はこの本を、現在の韓国の「近現代の歴史の教科書にすべきではないか」と思います。

「どうしてこのような事が起こったか」、という事に加えて、「韓国はこれからどのようにすべきか」、ということまで全部書いてあるからです。

韓国は、よその国(日本)の教科書内容に文句を付ける前に、まず自国の教科書の選定を根本から見直すべきですね。

「韓国併合への道完全版」を読んで⑺へ

 

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