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水原希子「痴漢は日本独特の文化」発言でネット上で大論争の背景(FRIDAY DIGITAL)
今日は少し気になる記事があったので、それについて書きたいと思います。
何の記事かというと、上記リンクの水原希子さんの日本下げ発言の記事についてです。
見出し
「日本下げ発言」の内容
1.「痴漢って日本独特の文化だよね。他の国はないから」
多分これ、ほとんどの人が聞いた瞬間「え?本当にそうかな?」と思うでしょうね。
この言い方だと、「痴漢という犯罪があるのは日本という国のみ」で、他国では100%ないという意味になりますよね。それを強調するために、わざわざ「独特の文化」という言葉まで使用しています。
各国の痴漢対策を踏まえつつ、ようやく監視カメラ設置がはじまった日本の痴漢対策の今後について考える(頭の上にミカンをのせる(&1年かけて整体する)ブログ 著者:よしき)
上記のリンク先のブログは2019年の記事ですが、「イギリス・フランス・カナダ」の3国の痴漢対策の元記事を引用し、その状況を解説しています。例えばフランスの痴漢対策の元記事は2017年のものですがフランス在住の記者が書いており、少なくともフランスに住んだことのない水原さんの意見よりは信ぴょう性があると思われます。
まず、この時点で「痴漢というのは日本独特の文化で、他の国にはない」というのが、認識として完全に間違っているということが分かります。
もちろん、他国にもあるのだから日本であってもいいだろうということを言っているのではなく、ただ日本だけがおかしくて他国は正常という誤った印象を植え付けるのは止めて欲しいということを言いたいのです。
2.iphoneのシャッター音が鳴るのは日本だけ。盗撮が多いから。
まず、iphoneのシャッター音が鳴るのは「日本だけ」というのは明確な間違いです。
日本だけでなく、「韓国(!)とカンボジア」の3国ではシャッター音が鳴ります。
水原さんの母親は韓国人なので、半分その血を引いている国が実はシャッター音の鳴る国に入っているというところに、何とも言えない自爆臭を漂わせていますね。
それから、「盗撮が多いから」というのはデータとしてきちんと確かめようがないため、根拠が不明です。
分かっているのは「携帯電話のシャッター音が消せなくなったきっかけ」というのは、カメラ付携帯の当時の開発者が、新機種発売直前に芸能人の田代まさしが盗撮事件を起こして逮捕されたことがあったため、イメージを悪くしないように携帯のカメラのシャッター音を消せない仕様にした、ということです。「盗撮の犯罪が多いから」という理由で設定されたものではなかったんですね。
だから、水原さんの「盗撮が多いからiphoneのシャッター音が消せない」というのは、単なる一個人の思い込みでしかないと言えます。
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事実を基にしない問題提起は意図が伝わらない
それから、FRIDAYの記事内では、「この発言は日本を貶めるために行ったものではなく、問題意識を持ってもらうためにしたものだ」というようなフォローが記述されていますが、問題意識を持ってもらうために「事実と違うことを基にして行う」のはダメだと思います。
例えば、昨今話題になった沖縄県・辺野古での座り込み抗議運動が、ひろゆき氏によってツイッターで実際の状況をさらされ、少し炎上したことがありました。
簡単に言うと、ひろゆき氏は「座り込み○○日って書いてあるけど、座り込みは○○時から○○時等に行っています。工事の無い土日は休みです」等と、「事実を事実のまま記載したら?」と言っていたと思います。相手方との言葉の解釈などの違いはあれど、ちゃんと事実を基にしましょうということで、問題提起のきっかけになるのは良いと思うんですよ。
だけど、例え本当に問題意識を向けさせるために行ったものだったとしても、水原さんの方は事実を基にしないことで注目を集めようとしたので、それではその意図は伝わらなくても当然だと思います。
その証拠に、今ネットの記事やサイト等はどれを見ても「水原希子は日本下げ発言をするな!」という意見であふれかえっています。
誰も「そうか、痴漢は日本独特の文化か。もっとそこに問題意識をもって痴漢撲滅に向かわないと!」という意見を言っている人はいません。(少なくとも検索には出てきません)
その原因は、「事実を基にしないことで問題意識の想起を図ったから」(図ったものだとしたら、ですが)だと思います。
国籍にこだわる嫌がらせも確かに存在するだろうけども…
水原希子さんは父親がアメリカ人、母親が韓国人のハーフで、国籍はアメリカだということが分かっています。(本名:オードリー・希子・ダニエル)
こう聞くと「日本人じゃねえのかよ!」と言ってすぐに排斥の対象にする嫌な人間たちは確かに存在すると思います。
ただ、大多数の人たちはそこにそんなにこだわらないでしょう。
せいぜい、「えっ、そうなんだ~」ぐらいの感想だと思います。
ところがですよ、冒頭に書いてきたような「日本下げ発言」を行うとですね、今まで何とも思っていなかった人たちからも、「ああ、日本人じゃないから、そういうことを言うんだね」という目で見られてしまうんですよ。
例えば、あなたの住んでいるアパートの隣人が引きこもりだったとします。
あなたは引きこもりでどうやって生活しているんだ、親から仕送りでも貰っているのか等と考えますが、自分に迷惑が掛かっているわけでもないのでそこら辺は深く考えることなく、日々過ごしていきます。
ところが、ある日を境にその隣人が夜中に長時間にわたって騒音を出すようになり、あなたの睡眠が妨害されるようになったとします。
あなたはどう考えますか?
こう思いませんか?
「やっぱり引きこもりなんて碌な奴じゃなかった」
「引きこもっていてエネルギーが有り余っているから、夜中に騒音なんか出すんだ」
「そんなことするんだったら引きこもってなんかいずに、働きに出ろ!」等など。
何が起きたかというと、最初は引きこもりでもなんでもあなたは気にしていなかったのですが、自分に迷惑がかかるようになると、「その迷惑行為が行われる原因を引きこもりに求められてしまうようになる」という現象が起きています。
これであなたが隣人に「引きこもり!外に出て働け!」等というメッセージを伝えると、隣人は「引きこもりを差別した」等と言ってますます強硬になる訳です。
しかし考えてみると、これってあなたは「隣人が引きこもりだから駄目だ」ということ言いたいのではなく、「迷惑行為を止めて欲しい」ということを言いたいわけですよね。
だから水原さんの場合に当てはめてみると、「水原さんが日本人じゃないことをダメ」だと言いたいわけではなくて、「日本下げ発言は止めて欲しい」ということを言いたいんだと思うんです。(もちろん、中にはどうしようもない差別主義者もいるでしょうけども)
まあ、芸能界という特殊な世界で色々な経験をされていることでしょうから、他の人からすると想像もつかないストレスがあるのかもしれませんが…何にせよ事実と異なることを発信して大衆を敵に回すのは得策ではないと思います。
今日はここらへんで。
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